京都大学(工学部)の編入学体験記
概要
■編入年次:第2学年(平成24年度から2年次,平成23年までは3年次編入)
■選抜方法:基礎科目〔数学、物理、化学、英語〕に関する筆記試験(英語はTOEFL)、面接及び調査書の内容などにより、編入学を志望する学科の第2学年次に編入するに足る学力を有するかを判定します。 (京都大学HPより)
平成23年度までは,上記に加えて専門科目が課されます.
対策開始時期
勉強は毎日の積み重ねが大事です。まず,低学年のときには教科書の基本をしっかりと理解しておくことが大切です。ただ計算ができれば良いというわけではなく,公式の証明から学習しましょう。京都大学に合格している人はだいたい4年生の夏〜冬頃から勉強を開始しています。そして,5年生に上がる前の春休みからペースをあげていっています。
過去問題について
過去問題は非常に重要です。高専の学生課等に京都大学工学部から郵送されているはずなので,そこで入手してください。
古い過去問題は雨森さんのページにあります。
まずは過去問題全てに目を通してどの分野が出ているのかを確かめましょう。ただし,分野がわからないものもありますから,次に示す参考図書から探したり,先生や友人と相談するなどしてみましょう。あてずっぽうに勉強しても無意味なのですから。また,HP上で過去問の解答を公開していく予定なのですが,まずは解答を見ずに自力で解くことを心がけましょう。
勉強方法・答案作成
京都大学の問題は基礎的なものを問うものが多いです。ただし,基礎的な証明ほど解き方を知らないと全く歯が立ちません。たとえば,数学のロピタルの定理を証明できますか。教科書の証明は全て抑えておきましょう。
また,答案作成に当たっては文章化して論理的に記述するように心がけましょう。問題の出題方法からして,計算をミスしても道筋が正しければかなりの部分点が与えられるはずです。逆に,最終的な解が合っていても道筋がおかしいと点数は全く与えられません。解答の作成とは,受験生と出題者のコミュニケーションです。このプロセス重視の採点方法は東京大学でも同じです。
自分は論理的に書いているつもりでも,実はそうでないという場合もありますので,学校の先生や頭の良い友人に確認してもらうと良いと思います。
基礎を重視した勉強を
京都大学といえども解ける問題は必ずあります。受験では,そういう比較的取り組みやすい問題で点数を稼いでいくことが重要です。難しい応用問題は合格者でもほとんど解けていないのが実情です。合格者の不合格者との違いは,基礎的な問題の取りこぼしが少ないということに尽きます。つまり,基礎問題は全て完璧というくらいにしておきたいものです。もちろん,超難問を解ければ他の受験生と差がつけられますが,あくまで比較的取り組みやすい問題を確実に解いても合格は可能なのです。
出題レベルの難化が続く傾向に
過去問がはじめて公開された年から7年が経過しますが,出題レベルは難化の一途をたどっています。特に数学においては顕著です。これは,問題の対策が立てやすくなったのと,全国から受験者が集中して来ているという背景があげられるでしょう。また,公開初期の編入試験では受験者全員がほぼ満点を取ってしまい,差がつかなかったという理由も考えられます。
したがって,早くから準備するのはもちろん,以前よりも低得点域でも合格の可能性がでてきますので,受験中もあきらめない精神力が大切です。特に平成20年度の数学は1割の出来でも合格した人もいるようです。
京大編入の関連リンク
京都大学工学部- 高専編入学試験 -・・・京大の公式サイト
京都大学高専会・・・こちらの体験記に僕も書いていますので,このサイトでは体験記は省略します.